IT導入補助金2020とは?対象や申請方法・スケジュール、注意点について
企業のIT化に活用できるIT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)が今年度も開始されています。今回は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、テレワーク導入や業務改善の費用についての資金繰りに悩む事業者を支援するための特別枠(C類型)が新設されています。そこでIT導入補助金2020について、対象や申請方法、スケジュールや注意点についてお伝えします。
※記載の情報は2020年7月3日時点の情報です。
IT導入補助金とは
IT導入補助金とはITツールを導入しようとする中小企業や小規模事業者の方々に対して、ITツール導入費用の一部を補助する制度です。
ここでいう「ITツール」とは、IT導入補助金事務局に採択された「IT導入支援事業者」が提供するソフトウェアやサービス等で、IT導入補助金のITツールとして登録されたものが対象です。
自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていくことを目的としています。
補助金対象や補助率について
2020年度からは補助率が最大3/4に拡充し、最大450万円が補助されます。
過去のIT導入補助金では、ソフトウェア購入費用、サービス等の導入支援費用が補助対象でしたが、新にPCやタブレット等のハードウェアにかかるレンタル費用についても補助対象となりました。
どんなITツールがあるの?
IT導入補助金では自社の課題やニーズに合ったITツールを導入していきます。ITツールの例としていくつかご紹介します。
<悩み1>
紙に印字するタイプのタイムカードで社員の勤怠管理をしているが、月末まで勤務情報がわからない、確認・集計作業に時間がかかっている。在宅勤務者の労務管理もできない。
(おすすめITツール)
ICカードやスマホを使って打刻できるクラウド型の勤怠管理システムを導入
(導入効果)
出退勤の確認を電子化することで、リアルタイムに管理部門が勤怠情報を確認できるようになる。そのため事前に残業を抑制できるほか、勤務時間の集計や打刻ミスにかかる修正の時間が削減でき、経費削減につながる。在宅勤務者がいる場合も、自宅から打刻をおこなったり、管理担当者もインターネットを通じて労務管理ができる。
<悩み2>
従業員がテレワーク(在宅勤務等)で業務を行う環境を整備したい
(おすすめITツール)
オンラインで打ち合わせができるWEB会議システム、
業務にかかわる多様な情報をクラウドで一元管理できるグループウェアを導入
(導入効果)
オンラインを通じて映像や音声のやり取り、チャットができるができるため、自宅からでもオフィスにいるのと同様にメンバーとコミュニケーションがとれる。グループウエアに必要な書類を保存しておくことで、自宅にいてもスムーズに資料の共有や利用ができる。在宅勤務で業務を進められる環境が整えられる。
<悩み3>
非対面でのサービス提供が可能なように、通販サイトを構築したい
(おすすめITツール)
ECサイト構築サービスを導入
(導入効果)
ECサイトを開設することで、既存のお客様とのやり取りだけでなく、新たな販路や新しい客層の開拓も可能となり、売り上げ拡大につながる。ECサイトで販売することで家賃、人件費などの固定費を下げる事ができる。
補助対象者
補助対象者は中小企業・小規模事業者等で、飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等、幅広い業種・組織が対象となります。
それぞれの業種や組織形態によって資本金や従業員数の対象がありますので、詳しくは以下ページにて、自社が対象になるか確認しておきましょう。
詳細:https://www.it-hojo.jp/applicant/subsidized-works.html
スケジュール
交付申請期間は2020年5月11日~2020年12月下旬までと予定されています。
2020年7月3日現在では、以下の締切が設けられており、それまでに受け付けた申請を審査し、交付決定が行われる予定です。
(交付申請締切日)
・2020年7月10日17:00
・2020年7月31日17:00
・2020年8月31日17:00
詳細:https://www.it-hojo.jp/schedule/
申請方法
IT導入補助金ではIT導入支援事業者とともに交付申請を行っていきます。
IT導入支援事業者はITツール選定の相談から、補助金の交付申請、採択後の事業実施、実績報告にいたるまで、各種申請・手続きのサポートを行います。
交付申請にあたっては専用のページから情報入力や書類添付を行っていきますが、電子申請化されているのでスムーズに申請が行えます。
そのため、お取引しているITベンダーや地域のIT企業など、IT導入支援事業者の採択を受けた事業者に、まずは相談してみることをおすすめします。
自社の業種や事業規模、経営課題についてIT導入支援事業者と相談し、導入したいITツールを選んでいきましょう。
注意したいポイント
IT導入補助金2020を申請するにあたっては「gBizIDプライムアカウント」と「SECURITY ACTION」への取り組みが必要となります。申請前に事前に準備をしておきましょう。
■gBizIDプライムアカウントの取得
gBizIDプライムアカウントとは経済産業省および中小企業庁が推進している認証システムで、複数の行政サービスを一つのアカウントにより利用することができるものです。
gBizIDプライムアカウントは発行までに1週間程度かかるとのことから、申請スケジュールに余裕をもって申請を行っておきましょう。
■「SECURITY ACTION」への取り組み
申請画面上で「情報セキュリティ5か条」の各確認項目に対してチェックを入れることにより、既に取り組んでいる、あるいは取り組む意思があることについて回答します。
こちらも申請前に事前に実施しておきましょう。
詳細:https://www.it-hojo.jp/applicant/related-measures.html
加点対象となる取り組み
以下の取り組みは加点対象となりますので確認しておきましょう。
- 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認を取得していること
- 地域未来牽引企業に選定されており、地域未来牽引企業としての「目標」を経済産業省に提出していること。
- クラウドを利用したITツールを導入すること
- テレワーク対応したITツールを導入すること
- インボイス制度対応したITツールを導入すること
- 以下の要件をすべて満たす事業計画を策定し、従業員に表明していること
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均5%以上増加
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
※上記の要件は補助金対象の類型によっては加点項目ではなく、必須要件となるものもあり、その場合は目標未達の場合に補助金の一部返還を求められる可能性もあるようです。
詳細:https://www.it-hojo.jp/applicant/related-measures.html
交付決定前に発生した経費は補助対象外
交付決定前に契約・導入され発生した経費は補助対象となりません。必ず交付決定を受けた後に補助事業を開始する必要があります。
※特別枠(C類型)は補助対象。
以上がIT導入補助金についての対象や、申請方法、注意点についてです。IT導入補助金は企業にとっての経営課題をみつめ、その課題に対して適切なITツールを選定することがポイントです。ぜひIT導入支援事業者に相談してみることをおすすめします。
弊社ではIT導入支援事業者として随時、IT導入補助金の活用についてご相談を行っております。
コロナ対策のためのテレワーク環境づくりや非対面の事業モデルの検討、働き方改革のための業務の見直しなど、企業に寄り添い、戦略に見合ったご提案をいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
<参考サイト>