ハイブリッドワークとは?課題や事例について紹介

これから始めるハイブリッドワークの課題とメリット・デメリット

1. ハイブリッドワークとは

「ハイブリッドワーク」とは勤務する場所を会社に限定せず、自宅やコワーキングスペースやカフェといった様々な場所を組み合わせた働き方です。
例えば、週の 2 日は会社で働き、残りの 3 日は会社以外の自宅でテレワークをするといったスタイルです。
最近では新型コロナウイルスの影響で多くの会社がリモートワークを導入しています。

 

2. ハイブリッドワークの課題と効果

ハイブリッドワークをうまく導入して効果を発揮させるには、ハイブリッドワークの課題と効果を理解しておく必要があります。
ここではハイブリッドワークの課題と効果を紹介します。

 

2.1 ハイブリッドワークの課題

 

従業員の新しい労務・健康管理の構築

ハイブリッドワークを導入すると、出社する社員とそうでない社員を把握する手間が増えます。
進捗管理、スケジュール管理はもちろん、社員の心身の様子を知る機会が減りやすくなります。

例えば、業務やプロジェクトの進捗が見えにくかったり、コミュニケーション不足により社員が抱える課題の発見が遅れたりといった問題が発生します。

これらのデメリットを回避するには、クラウド型のプロジェクト管理ツールやチャットサービスを効果的に利用し、社員間での情報の共有・連絡がストレスフリーにできる整備が重要といえるでしょう。

また、管理職やマネージャーのポジションの方々は仕事成果だけではなく、働く一人一人に耳を傾け、彼ら個人またはチームが働きやすい環境を提供することがより大切になります。

 

現場に即したバーチャルコミュニケーション

ハイブリッドワークでは前述通り、クラウド型プロジェクト管理ツールやチャットツールを利用することでスムーズな連絡・コミュニケーションが可能です。
これにはチーム内でのルール作りも重要です。

ルールが徹底されていないと、連絡事項が行き届かなかったり、意思疎通がうまくいかなかったりと、思わぬトラブルを招くことになりかねません。
できるだけ多くの現場の人間の意見をうまく取り入れ、ボトムアップでルールを整備し、マニュアル化し共有することが大切です。

ここではコミュニケーションの風通しの良さが一番大切です。
ルールを堅くしてしまいコミュニケーションや情報の共有にばかりに気を取られてしまうと、身動きがとれなくなるので注意が必要です。

 

一般社員および管理者の意識の課題

ハイブリッドワークを導入した際に、オフィスワーク社員とテレワーク社員の間で情報格差や評価格差が生まれてはいけません。
例えば、オフィスワーク社員の情報共有スピードが早かったり、著しく優遇されたり、といった事があってはいけないのです。

ハイブリッドワーク導入による格差を回避するには一般社員も管理者も意識の変革が必要です。

話し合いの場は全員参加を義務づけたネット会議でおこなう、オフィス社員も社員間の連絡は常にオンラインツールで連絡を取り合うなど、ハイブリッドワークを前提にした組織構造の構築が必要です。

 

2.2 ハイブリッドワークの効果

 

柔軟なオフィス形式の構築と見直しが可能となる

テレワークを選択する社員が増えれば、同時に出社する社員の人数が自ずと減ります。
それまでのオフィスワーク中心のスペース活用を見直すことができるようになります。
例えば、休憩室を広げたり、オフィス規模を小さくして家賃や光熱費を抑えたりといったことが可能になります。

 

多様な働き方の実現により、従業員の満足度が高まる

ハイブリッドワークを導入したから必ずテレワークをしなくてはならない訳ではありません。
社員の1人1人が本人自身の働き方の状況に合わせて、効率性を考えテレワークをするのか、オフィスワークにするかを使い分けることができます。
多様な働き方により社員たちの働きやすさが向上し、結果として会社への満足度も高まります。

 

優秀な人材の流出を防ぎ、確保にもつながる

優秀な人材でもワークライフバランスが崩れれば、余儀なく会社を離れるケースがありえます。
例えば、出産や育児、親の介護など様々な理由があげられます。
ハイブリッドワークを導入すれば、社員は自身の裁量で働くことができ、不要な出社時間を減らすことができて効率的に勤務に集中することができます。
会社にとっても優秀な人材の流出を防ぐことができます。
また、遠方に住む優秀な人材を雇うことができる機会が生まれます。
働き方のスタイルについても、様々な多様性が求められる昨今では、ハイブリッドワークを取り入れている会社の人気が高まってきています。

 

生産性の向上

業務内容によりオフィスワークとテレワークを使い分けると効果的です。
例えば、細かいニュアンスを伝えなくてはならない繊細な仕事であればオフィスワークが重要になります。
しかし、大まかな情報を共有する会議や、データ処理や会計処理といった個人業務であればテレワークで問題はありません。
ハイブリッドワークをケースに合わせて使い分けることで、無駄を省き生産性を向上させることができます。

 

3. ハイブリッドワークの事例紹介

ハイブリッドワークは新しい働き方のスタイルですが、多くの成功事例が挙がってきています。
いくつかハイブリッドワークの事例を紹介します。

 

マイクロソフト

マイクロソフトの従業員を対象とした調査によると、ハイブリッドワークへの移行を成功させるためには、人々がどこでも仕事ができる柔軟性を求める一方で、より多くの人とのつながりを求めているという「ハイブリッド パラドックス」を受け入れることが重要としています。

またハイブリッドワークでは、マネージャーと従業員の1 対 1 の対話によって信頼関係が生まれ、自信を持って自分たちが考える柔軟なハイブリッドワークを受け入れられるようになることが判明。マネージャー (管理職) の役割が今まで以上に重要とのことでした。

引用元 : ハイブリッドワークの世界で成長するために、信頼と柔軟性の文化の醸成を – News Center Japan

 

シスコシステムズ

シスコでは 2010 年代よりワークスペースの最適化を進め、社員の半分はリモート、会議室はハドルスペースへ切り替え、スケジュールは事前予約せずにアドホックにすることで従業員の生産性が向上しました。

会議室のハドルスペースとは、少人数で集まってミーティングが行えるスペースを意味します。
アドホックとは、用途の目的を限定しないオープンなものという意味です。
よって、会議室をオープンスペース化し、少人数の多数グループが自由に利用できる環境に変更したことで生産性が向上したそうです。

引用元 : ワークスペースの最適化事例- ハイブリッド型ワークスタイルの作り方 – Cisco

 

福井県

福井県は、働き方改革の一環としてオンライン会議などのテレワーク (リモート ワーク) 環境を整備し、週 1 回以上の在宅勤務を実施しています。遠隔地にある県の出先機関との打合せをオンライン会議にすることで、移動が不要となり業務の効率化にもつながりました。

引用元 : ハイブリッド ワークとは? 新しい働き方のメリットと活用事例紹介 – Microsoft for business

 

4. これからハイブリッドワークを始めるポイント

新型コロナウイルスの影響でリモートワークが広がりました。
また、ワークライフバランスを重要視する人が増えてきていました。
こういった背景からハイブリッドワークという働き方に注目が集まっています。

ハイブリッドワークを成功させる秘訣は特に次の 3 つといえるでしょう。

●コミュニケーションはリモートワークを前提とした、リモートファーストで考える
●現場の意見を取り入れた、ハイブリッドワークに関するルールの確立
●オフィスワークとリモートワークにおける情報格差・評価格差を起こさせない

これらを守ることでハイブリッドワークの効果(メリット)が活かされてくることでしょう。

皆様の会社・現場でもハイブリッドワークの導入を検討されているのなら、まずは社員同士で話し合うところから始めてみてはいかがでしょうか。




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